みなさんは屋形船と聞くとどういったイメージをするでしょうか。古きよきものというイメージで、今では利用することは出来ないものとか、もしかすると時代劇の中で見るような数人乗りの屋形船をイメージする人もいるかもしれません。
実は現代でも屋形船は多くの人に利用されています。春には川沿いに咲く桜のお花見に、夏には近くで打ちあがる花火の見物に、秋には紅葉、そして冬には宴会といった具合です。また先の時代劇に出てくるような小型のものではなく、大型で数十人から百人が一度に乗船出来るものもあるのです。もちろん料理や飲み物も付いていて、大勢での宴会も可能です。利用するには予約が必要で、事前に電話などで連絡することで予約が出来ます。屋形船は川などを使って運航するので、風雨が強いなど運航に支障をきたす場合は中止となります。一度に乗船出来る人数が多いのでいくつかのグループが乗り合いになることもありますし、大人数で貸し切ることも可能です。
屋形船と言えばテレビで放映している時代劇を思い出す人は多いかもしれません。江戸が舞台の時代劇では川辺のシーンでこれが多く登場したりしますが、おそらく実際、江戸時代の人もこれに乗って風情を楽しんでいたのだと思います。
さて現代の屋形船の船内は旅館の和室タイプの宴会場のようにお座敷になっていることが殆どです。床には畳が敷き詰められていて、そこに座布団と低いテーブルが置かれています。時には掘りごたつになっていることもあります。柱や天井は木材を意識した内装になっていたり、窓の内側を障子にしていることもあります。そういう雰囲気に相応しく、そして客を楽しませてくれる人と言えば、おそらく多くの人は芸者さんと言うでしょう。日本古来の着物姿で三味線の演奏とともに歌を披露してくれたり、踊りを舞うなど、宴会だと芸者遊びは盛り上がるはずです。運営しているところによっては宴会とセットになっていることもありますし、屋形船に来てもらうことも可能です。そういった風流で楽しそうな雰囲気を味わってみたいといった人は多いのではないでしょうか。